イタリアコラム『イタリア、人・文化・食』 - イタリアのアグリトゥーリズモ

イタリアコラム

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    イタリア、人・文化・食

    • 2000年の夏、ミラノのリナーテ空港に降り立ったあの日から、早いこと7年が過ぎてしまいました。あの当時は、まさか自分がこのイタリアで結婚し子供を生むなんて思ってもいませんでした。彼(現夫)が始めた会社の仕事を手伝わせてもらいながらイタリア語学校に1年くらい通い、日本へ帰ればいいやくらいの軽い気持ちでしたし、実際、一年くらいたった時には、イタリアでの言葉・習慣の不便さなどに猛烈に嫌気がさし、本気で日本へ引き返そうとも考えました。その後も2、3年は常に日本引き返しを考えていたと思います。でもなぜか毎回後ろ髪を引かれて・・・。 結婚した3年前頃から、運転免許を取得すべくイタリアの若い子達に混じって自動車学校へ通ったり、地元の妊婦さんたちと共に病院主催のマタニティーコースに参加したりと、自分個人で地元の中に入っていく機会が増え、色々慣れてきたのでしょうか。 だんだん言葉に不自由がなくなり、腑に落ちなかった習慣や不便にも馴れてきた時、今まで見えていなかったイタリアの良さをやっと認識できるようになったなぁと感じました。

    • 大まかに言ってしまうと日本人とイタリア人のステレオタイプというのは正反対だと思います。日本人が正確・几帳面・謙虚であればイタリア人はアバウト・いい加減・オレ様(笑)。でも善し悪しというものは紙一重。用は程度の問題。正確・几帳面・謙虚が度を超えると余裕がない・神経質・自虐的ということに。日本の自殺件数が多いのも何だかわかるような気がします。一方、自殺率の低いイタリアのアバウト・いい加減・オレ様気質も、バランスさえ良ければ余裕がある・柔軟・自己防衛能力があるともなるわけです。この気質がなかったら、イタリアに残る多くの世界遺産や芸術も生まれなかったかもしれません。
      正反対と言っても両者ともやはり人間、共通点だってたくさんあります。頑固さ・・・これはイタリア人も日本人も一緒。特にイタリア人の食へのこだわりはすごいです。 イタリアという国は食に関してとても閉鎖的です。90年代に入るまでマクドナルドも無かった国ですから。それだけ自分たちの食文化を誇りに思い受け継いで行きたいという気持ちが強いのでしょう。とにかく、子供からお年寄りまで食べ物の話を良くする人達です。美味しいものに囲まれているのですから仕方ありませんよね。

    • 私がイタリアのスーパーマーケットを初めて訪れて感じたこと、それは「スナック菓子コーナー」の小ささと種類の少なさかもしれません。日本のコンビ二の スナック菓子コーナーのほうがだんぜん広いのではないでしょうか。その代わりといっては何ですが、広々としたコーナーには、様々なチーズ・生ハム、焼きたてのパン・ケーキ、切売りピッツァやフォカッチャが並んでいます。それでもシニョーラ達は、「スーパーマーケットはプラスチックな食材」が多い場所と言い、週に何回か開かれるメルカートと呼ばれる朝市に足を運ぶのです。私の両親がイタリアにやってきた時、メルカートを見て「風情があるねぇ」と言っていましたが、こういった風情が過去のものでは無く、現在も普通に存在しているのです。バールと呼ばれる喫茶店もそう。イタリアのバールは、カウンターで立ち飲みが基本。朝食にエスプレッソカプチーノそしてブリオシュと呼ばれる菓子パン、ランチタイムには軽い軽食としてパスタ類やパニーノ、そして仕事帰りに軽く一杯飲んでいけるような気軽な場所です。さらにバスの切符や煙草やトト・カルチョくじを売る”タバッキ”を兼ねているバールも多いです。
      良く考えてみると、イタリアにはスターバックスのようなチェーンカフェがほとんどありません。しいて言えば、高速道中心に展開しているアウトグリルのバール、コーヒー会社イリーカフェのバールぐらいでしょうか。どちらにしろ、スタイルは両者ともイタリアの典型的なバールです。本当にチェーン展開している飲食店というのは少ないかもしれません。ジェラテリア(アイスクリーム屋)も個人店がほとんどですし、ピッツェリア(ピザ屋)、ピアデネリア(ピアダ:ピアダ生地にトッピングをはさんで食べるロマーニャ地方の食べ物)、フォカッチェリア(フォカッチャ:ピッツァに似た生地の平たいパン)、パン屋もほとんどが個人店だと思います。すでに独自のスタイルが確立されているため、かえってチェーン展開だとうまくいかないのかもしれませんね。オリジナリティーがなければ駄目なのではないでしょうか。外国のラーメンチェーン店が日本市場に参入するのも難しそうですけどね。

    • 私もイタリアで生活し始めた頃は、ああ、もっと色んなファーストフードチェーンやコンビニ(ありません)があれば良いのに・・・と思ったこともありましたが、今は「 そんなものあったところで、非常にのろいファーストフードだろうし・・・」と、期待をしなくなりました(笑)なにしろ、マクドナルドでダブルバーガーを30分待ったことがありますから(笑)。バールでパニーノを頼んだほうが絶対に早かったはずです。どうも、イタリア人にはマニュアル教育がうまくいかないようです。型にはまったものでは駄目なのでしょうか、自分で考えようとする姿勢は良いのですが、ルールを守れない・・・・ほんと、善し悪しは紙一重ですね(笑)。